生まれ変わる古材

生まれ変わる古材
生まれ変わる古材

設計=小林建設 写真=相原 功

 

古材のよさと選び方

文=島村葭商店 代表 島村義典


   
古材のよさ
 
古材には数百年もの時を経た材もあります。梁として使う古材の材種は、主に堅木で強いケヤキやクリ、桜、赤身の杉や檜、アカマツがよいでしょう。古民家を支え続け大切に受け継がれた材は、伐採してから数百年経っても、なお生きている生命力があります。江戸時代に建てられた煤で真っ黒に燻された古材に手を加えるとき、たった今、森の中で伐採したかのような香りが作業場を包み込みます。古材の美しさと魅力は、先人が音を刻むように手斧で削った手仕事の跡と、自然に曲がった木材の曲線が織りなす表情だと感じます。
 
古材を買う上で
 
蟻害や腐食のある古材は、金槌などで叩くとボコッという音がしますが、良材はコツコツと固い感じの音がします。また年輪が詰まった赤身材は強いです。古材に手をかけ魅力を生かすため、釘やビスは取り除き、重機の傷痕などを整えた後に煤を払って磨きます。購入時は予算と必要な材の長さや太さなどを伝え、使用する空間に合うか想像して好みの一本を決めます。仕上げの方法や着色の有無、色合いや磨き方なども、サンプルを見ながら古材屋さんと決めるとよいでしょう。一本ごとに手斧跡や曲線美、力強さの個性があり、新しい空間にどのように生かすか楽しみに、多くの古材を見てください。
 
(「チルチンびと」96号抜粋 ※全文は電子書籍でご覧ください。)
 

島村葭商店
明治35年創業の琵琶湖湖畔の老舗。おおよそ120年以上の材を古材として扱っている。
 
〒520-1501 滋賀県高島市新旭町旭8
TEL 0740-25-4370


 
 

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