雑誌「チルチンびと」80号掲載「アメリカの古材」
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61手を加えず、傷跡すら愛おしむ無垢の板材GALLUPではアメリカのバーン(納屋)の板材を本実加工し、面材として出しています。住宅での使用を見据えある程度表面はならしていますが、釘穴などもそのままに、できるだけ手をかけないほうが、古材の表情が生きてきます。も取り扱いはありますが、耐久性から構造材として使うよりも化粧材として表情を楽しむことをすすめています。 ではなぜ、アメリカの古材は、板材が中心なのか。アメリカの住宅史を17世紀の開拓時代まで遡ると、イギリスやオランダなどヨーロッパからの移民は、まず家を建てるにあたって自国の住宅様式を再現しようとしました。それが木材を軸に仕口を加工して組む「ティンバーフレーム」様式や(右ページ下図)、校倉造りのようなログキャビンなどです。しかし、19世紀になり製材業がさかんになるとともに、手仕事で仕口を加工して組み上げるより、2×4規格の厚板(プランク)を打ち付ける簡便な工法が、1830年頃から普及しました。  「GALLUP」が扱うのは、住宅に使われるよりさらに断面の大きい2×6材を使ったバーン(納屋)の解体材です。日本の古材のように、丸太で柱梁が組まれているのではなく、柱・梁・壁・床、すべてが板。住宅より子どもが触れそうな高さは、別の素材の腰壁にしても子どもが触れそうな高さは、別の素材の腰壁にしても子どもが触れそうな高さは、別の素材の腰壁にしても子どもが触れそうな高さは、別の素材の腰壁にしても壁に使う場合天井に使う場合床に使う場合※床・幅木・建具の取り合いCotton Mills Maple FlooringWhisky Amber Pine FlooringDouglas Fir FlooringWhisky Amber Pine FlooringReclaimed Pine Flooring. GreyReclaimed Maple Flooringアメリカのコットン工場で約100年間使われてきたフローリング。傷や表面のシェラック樹脂の剥がれがよい雰囲気。(幅77㎜×乱尺 厚み17㎜、12,800円/㎡)こちらもバーボン貯蔵庫から取り出したパインの古材。こちらのほうが深い色合い。(幅153~267㎜×乱尺 厚み19㎜ 18,800円/㎡)「ダグラス・ファー」とは、西海岸で育つベイマツの一種。 1900年代初頭のものは、木目が詰まったいい材が多い。(幅127㎜×乱尺 厚み19㎜ 11,800円/㎡)アメリカのバーボン貯蔵庫から取り出されたパインの構造材をフローリングに加工したもの。床板の斜め張りは空間に迫力が出る。(幅153~267㎜×乱尺厚み19㎜ 18,800円/㎡)パインの古材。赤みのある深い色に経年変化で枯れ、少しグレーがかった味わいのある材。(幅110㎜×乱尺 厚み16㎜ 14,800円/㎡)メープルの古材。深い色味で、硬い材質が特徴。細い幅の床材は空間を上品に見せてくれる。(幅57㎜×乱尺 厚み20㎜ 12,800円/㎡)靴を脱ぐ日本の室内で使うには、やはり風合いを殺してでも表面を削って整える必要が。質感をそのまま味わう場合は、手の触れない部分の壁や天井に使うのがおすすめ。また板に厚みがあるので、改修時に既存の床の上に張る場合などは、注意が必要に。アメリカの古材を使う時の注意点枯れた表情と使い心地のバランスを見極める

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