雑誌「チルチンびと」80号掲載「奈良県/芸家 田中茂雄さんを訪ねて」
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20古き土地に身を委ね、築250年の民家に暮らす飛鳥時代の史跡が残り、古いにしえの香りが色濃く漂う明日香村のとある集落。陶芸家の田中茂雄さんが、この地に住まいと工房を構えて6年。毎日、薪をくべて火を焚き、井戸水の恩恵に感謝を捧げ、土を捏ねる。大地の鼓動に身を委ねるように創作と暮らしを営む田中さんを訪ねました。文・近藤夏織子 写真・輿水 進奈良県明日香村・陶芸家 田中茂雄さんを訪ねて右:古陶磁を師として独学で焼き物を研究してきた田中さん。「京都に住んでいた頃、近所の釉薬研究の第一人者や、京都で最後の窯屋さんが相談にのってくださる、ありがたい環境でした」。下:自宅にて。味わいある甍の波に揚々と泳ぐ鯉のぼり。約150坪の敷地に主屋、蔵などが建ち、住居や工房、ギャラリーに使い分けている。鬼瓦には、天保9年の古瓦と同じ銘が刻んである。

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