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hitonoto ヒトノト

 

日本人にとっての日本、普段使いのモノや習慣などあたりまえを見直すきっかけとなるコミュニティースペース。ギャラリー、インターネットショップ。

 気配という人の音がする
 その音が絶えた時の
 いいしれない寂しさよ

金沢駅に近い昭和初期に建てられた町屋の土間からヒトノトを始めます。ヒトノトって何?と聞かれて、一言でお答えすることはできないのですが、この土地で暮らしながら自分にできることを形にしていく宣言のようなものです。見守っていただければ幸いです。

数年前ヨーロッパを旅している時に滞在したブタペストのビーアンドビーでのこと。家主のおばあちゃんは英語が話せず、しかしそれに臆することもなく終始ハンガリー語で話してきて… もちろんさっぱり理解できなかったのですが、もてなしてくれる彼女の心が伝わってきました。淹れたてのコーヒーのソーサにチョコレートをちょこんとのせて出してくれたり、レモングラスが入ったお水を小ぶりなアンティークのグラスで出してくれたり、普通のことに対するしつらえが可愛らしい。いちいち小説的なのです。彼女に似合う美しいモノたちが、整頓され飾られてるところで丁寧に暮している。滞在中私は街に出かけることもなく、そこで読書したり、詩を書いて過ごしました。

セカセカと仕事中心に生きていた時は三食外食で、時間がない時はコンビニです。家は寝るための場所でした。今思えばスウェーデンに移住したのは、時間も、心もギュウギュウだった生活に一度区切りをつけるためでもありました。自炊して、勉強して、昼寝する時間だってある。もっとも良い変化は、自国とは違う文化の中にいることで気づきがたくさんあったことです。当たり前だと思っていた日本らしい物事に比較対象ができたことで、その輪廓が見えてきた… 「私地元のことなにも知らなかった。帰らなきゃ」それが、2016年7月のこと。

ヒトノトは、あたりまえを見つめ直したい人のための拠点です。日本人にとっての日本。普段使いのもの。暮らしの習慣。まずは、いらないものを捨てることからはじめます。整頓して、今あるものを生かします。そして、少しづつ足していく… 人の音がする、愛着をもって使っていきたいと思えるモノだったり、人とつながりをもてる時間だったりを。こればかりは1日にして成ることではないので、模索しながら積み重ねて行こうと思います。まずは、コトでつながる場所をつくるために、町屋の土間と2階畳の間をギャラリースペースとして開放します。各地を旅していかに多くの人が自分の身近なモノやコトに興味があるのかと驚きました。金沢のこと、日本のことを知りたい人が門をたたけるように発信していくことが今の私の情熱の矛先です。ヒトノトを通して、いつかブラジルの聞いたこともない村の人に出会えたら… そんな想像を膨らませながら。

 

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hitonoto -ヒトノト-
〒920-0861
石川県金沢市三社町11-8-3
HP:https://hitonoto.com/
Facebook:@hitonoto.japan
Instagram@hitonoto_japan

 
 

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