雑誌「チルチンびと」84号掲載 鳥取県・西村邸
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20ストーブに床暖房も設置した。ただ、「冬は暖房代がかかるので、家族で小さい部屋に籠っています」と笑いながら話す早栄子さん。 「昔の食堂のようにしたかった」という台所は、壁全面を窓にして明るくした。台所で料理の手伝いを黙々とこなすのは長男の和かず丸まるくん。焼き魚をひっくり返して加減を見たり、味噌を溶いたり……。道具の使い方も手慣れた風で、自らどんどん家事をやっつけていく。「この子はまるたんぼうの1期生なんです」。 早栄子さんがまるたんぼうを立ち上げたのは7年前。毎日我が子と近所の森を散歩していて「こんなに素晴らしい自然の中で子育てしたい人はほかにもいるはず、と思ったんです」。そこで頭に浮かんだのが、文献で知っていたヨーロッパ生まれの「森の幼稚園」。園舎ではなく、毎日森に出かけ、自然の中で感性や生き方を学ばせるというスタイルが、これほどの豊かな環境がある智頭町ならできるのでは、と考えた。 園舎も築100年を超える古民家大きなアイランドタイプのキッチンは、誰でも気兼ねなく使える親しみやすさがある。森の力を最大限に生かし地域に根づいた教育を

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